ドラマ「パーフェクトワールド」第8話ネタバレ

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第8話ネタバレ(あらすじ)

樹に迫る死の危険

地鎮祭の朝、父に樹と仕事をしている事をつぐみが打ちあけようとしたその時、長野を震度6の地震が襲った。
震源地は下崎村。


地震が止まった直後、洋貴から電話があって無事だと伝えた。
そうして樹が心配になった。
1人車椅子で大丈夫だろうか?と。


電話をするも繋がらず、居ても立っても居られないつぐみは、樹を探す為家を飛び出した。
余震があるかもしれない。
まだ不安定な最中飛び出した娘を、もちろん両親は止めた。
けれど彼女にはそんな声は届かない。
ただ樹が心配で。


タクシーで彼の実家に行ってみるも、誰も居ない。
高木から地鎮祭延期の連絡と、樹と連絡が取れないと電話があった。
地鎮祭の現場に行ったのかも?とも。


急ぎ地鎮祭の現場へ向かう彼女。
東京の長沢からも、彼と連絡が取れないから探して欲しいと知らされた。
けれど地鎮祭の現場にも樹はおらず、先日地鎮祭の後に下崎村の建設現場の見学の話をした事を思い出し事務所へと向かう。
事務所に行くと、昨日建築士が鍵を取りに来たと教えられ、つぐみは慌てて下崎村へと向かった。


下崎村は震源地。
タクシーで向かうが大渋滞で一向に進まない。
なんでも通りの先ので土砂崩れが起きていると言うのだ。
その状況を長沢に伝えると、樹はカテーテルを使って排尿するが、そうでない時も腹部を圧迫しないと排尿出来ない。
尿が長時間体内にとどまると毒素が溜まり、死の危険があるから、急いで見つけて欲しい
と。


その話に慌てたつぐみは、動かないタクシーを降り、走って建設現場へと向かう。
辛い山道もただ必至に走る。
鮎川くんを早く助けなければ…と思ったから。


そうして現場へ着いてみると、そこには樹の車が。
建設現場の建物のガラスは割れ、木材も散乱している。
そんな建物の中で樹は角材の下敷きになって倒れていた。


車内で過ごす2人の夜

樹を見つけたつぐみは、角材から彼を助け出し、車椅子からカテーテルを見つけ、無事に排尿する事が出来、命の危険から逃れた。
死ぬのかな?と思った時、樹は彼女の事を思い出していた。
だからその彼女が一番に助けに来てくれた事が嬉しくて、思わず抱きしめた。


彼女もまた嬉しかった。
樹が無事だった事が、また顔を見られた事が。
その安心感から彼にしっかりと抱きついた。


しかし自分には婚約者がいる。
彼にも長沢と言う恋人がいると思い込んでもいた。
だからそんな樹をそっと引き離し、外で電話をしてくると伝え、彼から離れた。


長沢に樹の無事を知らせ、救助を呼び、2人は下崎村の避難所へとやってきた。
腕にできた傷を手当てしてもらうと、彼女は樹に褥瘡が出来かけているから、彼だけでも横になれないか?と避難所のスタッフに尋ねてみた。
すでにいっぱいの人で溢れるそこには、もう空いている布団はなかった。
一晩くらいなんとかなります」と言う樹だったが、彼を案じたスタッフが、自分の車を提供してくれたのだ。
後部座席をフラットにすれば、横になれるからと。


そうして2人はスタッフの好意に甘えて、車の中で一夜を過ごすことに。
2人きりの車内でトランプで遊ぶ2人。
それはかつての2人のように、とても楽しげで笑顔に溢れた時間となった。
楽しく笑う彼女をみた彼は、地震直後の事を話してくれた。


動けないって分かった時、死ぬのかな?って思って。
そしたら走馬灯のように、今までのいろんな事を思い出したんだ。
その時に川奈の事も思い出して。
けど全部笑顔なんだよ。
そしたら、死んだらもうその笑顔が見られないのかな?って思って。
だから生きたいって、死にたくないって思ったんだ。



そう言う樹に、私もどうしても鮎川くんに会いたかった…と言うつぐみ。
婚約者の居るつぐみの手を取りたい衝動に駆られたものの、洋貴の事もよく知っているし、釘も刺されているから。
彼はその衝動を無理やり抑え込んだ。


そうして樹が眠りについた頃、好きに使っていいと言われていたスケッチブックを手に取ったつぐみは、隣で眠る愛おしい人をスケッチしていた。
その絵には彼への想いが溢れていた。


それぞれの日常へ

翌朝、寝ている樹を残し、朝食のおにぎりをもらいに行ったつぐみは、そこで洋貴と出会った。
長沢を乗せて2人の元へと向かっていた洋貴は、昨夜は通行止めで到着出来なかったものの、今朝やっと避難所までたどり着いたのだった。
やっと婚約者の顔を見られ、安堵した洋貴は彼女を抱きしめた。


その頃目を覚ました樹は、1人車椅子にのりつぐみを探しに出てきていた。
そうして洋貴に抱きしめられる彼女を見てしまったのだ。
あの地震の時に気付いてしまったから。
自分にとって彼女がいかに大切な存在なのかを。
だからそんな2人の姿に心が痛んだ。


けれどそんな彼の心の痛みなど知らない長沢が、今度は彼に駆け寄り彼を抱きしめる。
今度はその長沢の声に、つぐみが見てしまうのだ。
長沢に抱きしめられる樹の姿を。
そしてまた彼女も複雑な想いを抱えていた。
やはり実感してしまったのだ。
自分にとって掛け替えのない存在は彼以外に居ないのだと。


そうして2人はそれぞれの場所へと戻っていく。
つぐみは洋貴と実家へ帰り、実家では洋貴をもう息子のように迎え、洋貴を泊める為に客間につぐみと洋貴の布団を並べて敷いておいてくれる程だった。


樹はと言えば、東京に戻り仕事を再開。
打ち合わせの時に渡辺に提案したのだ。
松本の高木家の仕事を後輩に引き継ぎたいと。
それはきっとつぐみへの大きな想いを再確認してしまったとこも原因だろう。
その案に許可を出した渡辺だったが、何かあったのか?と彼に尋ねた。
すると彼は「地震のせいでしょうか?霧が晴れたみたいに迷いがなくなって、何が大事なのかがはっきり見えたんです」と言う。
だからこそ、つぐみと距離を取る事を決めたのかもしれない。


樹が松本の案件を後輩に引き継ぎぐ事が決まった頃、つぐみは洋貴と式場で披露宴の料理の試食をしていた。
けれど心ここに在らず。
きっと彼の元へと心は行ってしまったのだろう。
するとそこへ彼からの電話が。


電話は先日の彼女の助けのお礼と、今後は松本の現場を後輩に引き継ぐからと言う知らせだった。
地震祭の時にその後輩を連れて行くと言う彼に、「じゃあ、地震祭が最後になるんだね」と寂しそうな彼女。


別れてしまった2人だから、あの仕事で会えなければ、もう会える事はない。
けれどそれが別れのあの日、2人が選んだ日常だった。


それぞれの後悔

2人の最後の仕事、それが高木邸の地鎮祭だ。
ついにその日が訪れた。
地鎮祭に参加する樹をサポートするつぐみ。
2人の息の合った動きを優しく見守る高木夫妻。
けれどこれが最後なのだ。


今日はこの後高木のレストランの20周年のパーティーがあり、つぐみも招待されていた。
もちろん樹も招待を受けたのだが、東京で仕事が立て込んでいるから、今日中に戻らないといけないからと断っていた。


そんな樹を見送るつぐみ。
彼の車椅子をトランクに詰め、まだ閉まらない扉の傍ら見つめるつぐみ。
樹もまた彼女をじっと見つめている。
最後だから、なかなか別れられないのかも知れない。
それでも東京に戻らなければならない樹は、後輩の運転でその場を後にする。
走り出した車を見つめるつぐみは、そのシルエットが小さくなるまでただじっと見つめている事しか出来なかった。


樹を見送った後、高木のレストランへと場所を移したつぐみは、20周年記念のパーティーに参加していた。
一緒に来たのは樹の元カノで今は彼女の友人の美姫だった。
幸せそうな高木夫妻を見ながら、つぐみは美姫に心のうちを打ち明けていた。


あの2人を見てると、どんな事があっても乗り越えられると思っちゃう。
先の未来を恐れて別れるなんて、バカだったなって思う。
もう遅いけどね。



そんなつぐみの言葉に美姫は「遅い事なんてないよ。いつからでもやり直せる。もし遅い事があるとしたら、それは死んでしまった時だよ。生きていればいつからでもやり直せる」と。
美姫の優しい言葉に、「ごめん、私行かないと」と立ち上がるつぐみ。
今度は絶対諦めないで」と励ます美姫は、ずっとつぐみが樹を想い続けていたことに、多分気づいていたのだろう。
それでも樹との別れも洋貴との結婚も、つぐみが決めた事だからと、尊重してくれたのかも知れない。


つぐみが美姫に心の内を話していた頃、樹もなにかを考え車を停めさせていた。
そうして彼は彼女の元へ。
彼女が彼の元へ行こうとしているように、彼もまた彼女に伝えなければならない事があったから。


走って店を出たつぐみは、車から降りた樹と出会う。
駆け寄る2人。
多分2人は同じ気持ちで、互いに互いを探していたのだろう。
俺、川奈に伝えなきゃならない事があるんだ
と言う彼は「俺には後悔してる事があって…」と話を切り出した。


相手が居るとか居ないとか。
家族の事とか未来とか。
考えなければならない事は、きっとたくさんあるだろう。
けれどそれでも心が互いを求めるから。
だからもう知らない振りは出来ないのかも知れない。
例えば明日地球が終わってしまったとしても、後悔しない生き方。
2人はまだそれが出来ていないから。


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