松坂桃李さん×山本美月さんのドラマ「パーフェクトワールド」の第7話「巡り会う運命」のネタバレ(あらすじ)をまとめました。
前回までの「パーフェクトワールド」
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話
第7話ネタバレ(あらすじ)
再び繋がる二人の縁
東京に樹を尋ねて来たつぐみ。
彼の会社で、二人は高木夫妻の話をした。
彼女はどうしても樹に設計してもらうべき案件だと思ったのだ。
多分それはあの夫妻の状況が自分たちに似ていると感じ取ったからかもしれない。
樹は妻の気持ちが分かると言う。
「妻を失った後も、妻のために建てた家で一人で暮らし、ローンを払い続ける夫の事を考えると辛い」と彼自身の思いも伝えた。
けれど彼女は退かなかった。
「私と居ると不幸になるという奥さんの言葉が、一番旦那さんを不幸にしている」というのだ。
それはあの日彼にも言われた言葉。
それが今も彼女の傷となっているのだろう。
そんな意味も込めて投げられた言葉だったのに。
樹はそれを聞いて「分かった。もう一度高木さん夫婦に会ってみるよ」と言ってくれたのだ。
彼自身もあの日の言葉を何度も後悔していたのだろう。
そうして一度は互いのケータイから削除した連絡先を再度教え合う二人。
こうして再び二人の縁は繋がったのだ。
繋いでくれたのは高木夫妻。
二人とよく似た境遇の夫婦だった。
結婚に向けて
洋貴には昔から夢があった。
それはつぐみと結婚する事。
付き合う事ではない、彼の夢は結婚だったのだ、最初から。
幼い頃から家族のように育ったからこそ、彼女と本当の家族になる事が夢になったのかもしれない。
だから彼は樹の件で東京に来たつぐみに、再び結婚の話をした。
そうして彼女はちゃんと言葉で返したのだ。
「私でよかったら、よろしくおねがいします」と。
その日は樹とつぐみが会った日。
仕事のためとは言え、もう会わないと洋貴と約束をしていた樹は、律儀に連絡を入れていたのだ。
「仕事とは言え約束を破って川奈に会った。すまない」と。
けれど彼女は話してくれない。
樹と仕事をすることになったことも、会った事すら報告してはくれなかった。
それでも結婚の約束は取り付けたという事で、早速スーツに身を包み、つぐみの両親に挨拶に行った洋貴。
すでに家族のような仲である事から、彼女の両親は大喜びだった。
「洋貴だったら、つぐみを安心して任せられる」と。
そうして家族にも結婚の話が伝わり、いよいよ本格的に結婚に向けて動き出す洋貴とつぐみ。
そこでつぐみは意を決して彼に報告しようとしたが、すでに彼は知っていて「鮎川の事だろ?なんで言ってくれなかったんだよ」と言う。
そうしてすでに樹から連絡をもらっていた事を告げた。
だからつぐみは、設計はどうしても鮎川くんじゃないとダメだけど、インテリアは私じゃないとダメという事はないから。
他の人に代わってもらうよ…と言う。
けれど彼も会社を経営する男だ。
「そんなの良くない」と彼女に告げた。
それは面白くはないけど、仕事は仕事だから。
そういう理由で断るのはよくない。
そう言ってくれた事で、つぐみは安心して樹との仕事に臨めることになったのだ。
二人の夢を合わせた家造り
夫の説得により、一時は家を建てないと言っていた妻が、新築に前向きになってくれた。
そうしてついに樹が高木夫妻に実際に会って話を聞く日が訪れた。
所が、当日になり病院へついた二人を待ち受けていたのは、「会いたくない。家は建てない」と心変わりした妻だった。
病気の進行の事もあり体調もよくないのだろう…と帰ろうとするつぐみだったが、彼は退かなかった。
「どうしても話がしたい、俺が会いたいって言っている事を伝えて貰えませんか」と頼んだのだ。
そうして樹だけが妻と会うことになったのだが、「健常者と障害者のカップルがうまく行かないって知っているのに、どうして仕事を断らないんですか?」と怒った態度を見せられる。
彼とつぐみが以前付き合っていて、彼の障害を乗り越える事が出来ず別れた事を知っていたのだ。
だからこそ自分は話がしたいと言う樹に、以前彼がつぐみと別れた時に口にしたようなことを並べる高木の妻。
そうして彼女は言うのだ。
「彼が新築の費用に使おうとしているのは、彼の夢のために今まで必死にためてきたお金なんです」と。
だから彼は尋ねた。
「旦那さんの夢はなんですか?」と。
妻の夢を叶えたい夫と、夫の夢を奪いたくない妻。
そんな二人の気持ちを知り、樹はその日に東京に戻る予定を変更。
ひと晩かけてプランを練ることにしたのだ。
翌日、彼は新築のモデルの絵と、図面を持参し夫妻に見せた。
ログハウス風の木材を活かした建築で、家の正面と向かって左側がガラス張りになっていて、そこからウッドデッキが同じように正面と向かって左側に作られていて、車椅子でウッドデッキへ出て、外の空気を楽しむ事が出来る造りだった。
広く取られたそこでは、テーブルを置いてゆったりと太陽の光を浴びながら過ごす事が出来るだろう。
キッチン周りも広く取られており、車椅子でも料理がしやすい設計。
玄関も通常の玄関の他、介護の人と車椅子で出入り出来る玄関を別に設け、夫婦それぞれのプライペート空間も用意されていた。
介護をする者とされる者、それぞれ一人になる時間は一緒に暮らしていく上で大切なのだと樹は言う。
そんな素敵な家を見て、嬉しそうな二人だったが、「とても素敵な家だと思います。こんな家で暮らせたら幸せだと思います。ですが…」と断ろうとする妻。
しかしすかさず「待ってください。もう一つ考えて来たんです」と新たなデザイン画を見せる樹。
それは新築のその家のガラス部分をオープンにし、リビングにもテーブル、そしてウッドデッキ部分にもテーブルが並べられている絵だった。
「こうしてテーブルを置ける設計になっているので、ご主人のお店としても使う事が出来るんです」と言う樹は、夫婦ふたりの夢をそのデザインの中にどちらも組み込んで作ってくれたのだ。
冬もウッドデッキ部分を覆う事の出来る構造にするようで、一年中営業出来るという。
そんな彼のデザインに感動した二人は、涙ながらに感謝の言葉を伝えた。
本当に素敵な家だった。
何一つ諦めず、どちらも犠牲にする事のない、素敵な設計がそこにはあった。
つぐみの成長
高木夫妻から正式に依頼を受け、樹がデザインをつぐみがインテリアを担当する事が決まった帰り道、嬉しさからつぐみは饒舌になっていた。
現在ハウスメーカーで働いているつぐみは、職場で得た知識から「長野の県産材を使って建てられないかな?」と樹に持ちかけたのだ。
「いいね、それ」と乗り気な樹に「確か県産材を使うと助成金が出たはずだよ」と話してくれるつぐみは、とてもキラキラしていた。
そして「うちのハウスメーカーで、県産材を使用してバリアフリー住宅のモデルルームを新築中なの」と言うと、それをみてみたいという樹。
そうして話は盛り上がり、二人で建築中のモデルルームを見に行くことに決まったり、家具も県産材で作れないかな?と、それぞれの仕事の知識を活かし、話は尽きない。
もし二人が結ばれるならば、こんな風に協力しあいながら、たくさんの素晴らしい家を造っていけるのでは?と思わずには居られない程。
そうして樹は、キラキラするつぐみを見つめて「川奈、変わったな」と言う。
それはいい意味の変化を認めてくれる言葉だった。
「前はおとなしい感じだったのに、今は積極的に自分の意見を言えるようになったし。なんて言うか、強くなったって感じ」と。
辛い事はたくさんあった。
けれどそれらの辛さは、今の彼女の糧となっている。
前に進む力、強くなる力を与えてくれたのだろう。
二人とも片想い
姉が結婚に向けて動き、新しい仕事に取り組み始めた頃、妹のしおりは出版社への就職を決めていた。
面接前にはしっかりと準備をし、そのための資料を探すため、一人図書館にも通っていた。
その時、建築士の勉強に来ていた晴人としおりはそこで再会した。
以前バイトを辞めたらもう会えないよ…と言ったしおりに、「俺たちが運命で結ばれているなら、またきっと会える」と晴人が言っていたが、二人は本当に再会したのだ。
以来、連絡先を交換してメッセージのやり取りをする仲になり、彼に好きだと言われたことも。
その時しおりは晴人に伝えていた。
「私好きな人いるから」と。
しおりが好きなのは、現在姉の婚約者となった洋貴だった。
けれど洋貴が幸せなのが一番だからと、彼女は自分の気持を打ち明けない。
ずっと洋貴が姉を好きだと知っていたから。
そして晴人はそんなしおりの恋の話も聞くようになっていたのだ。
だから一度会ってみたいと、しおりの家を訪ね洋貴に会ったことも。
「ちょっとだけでも分かったよ。あの人むちゃくちゃいい人だって」と。
「そういい人過ぎて損するタイプ」と言うしおりは、そんなお人好しな所も好きなようだった。
そして二人は会話の中から、彼が樹の会社の後輩で、彼女がつぐみの妹であるということに気付いた事も。
今ではそこも含めて親しくしている様子。
二人で洋貴を待ってゲームをしていた時、義足を痛そうにしている晴人に気付いたしおりは「外せば」と気軽に言ってくれた。
「痛いんでしょ?」と。
「でも…」と躊躇する彼に「いつも家では外してるんでしょ?だったら外せばいいよ」というのだ。
出会ったばかりの頃、晴人の義足のことに気付いた時には、あんなに引いた態度だったのに。
姉と樹の付き合いの中、樹とも触れ合った事もあり、彼女の中で何かが変わったのかもしれない。
今では障害を特別なものと思わず、それもその人の個性の一つとして、受け入れられているようだった。
だからきっと二人ならうまく行きそうなのに。
二人とも片想い。
彼女は洋貴に、彼は彼女に。
自分の居場所を守りたい
長野から戻った樹に、仕事を受けた事を聞かされた長沢は、「私のやる事がまたなくなっちゃうな…」とこぼしていた。
それでも表面上は応援している様子を見せていたのだ。
しかし、内心は焦っていた。
彼の長野での仕事はつぐみと一緒の仕事だからだ。
つぐみが居なくなり、彼の家を自由に行き来出来るようになった事で、自分の居場所を取り戻したと安心していた。
だから怖くなってしまった。
再びつぐみに彼の心が奪われてしまうのでは?と。
だから長沢は樹には内緒で長野へと向かった。
建前は今までひどい事を言ったから謝りたいと言うことにして、本当はプレッシャーをかけようと思ったのだろう。
付き合う話など出ていないのに「是枝くんと結婚するんですってね」と言った後「私達も付き合うことになったの。だからお願いします」と頭を下げたのだ。
何をお願いしますなのか、長沢は言葉にはしなかった。
けれど彼を奪わないで、邪魔をしないで…と釘を刺したのかもしれない。
だからつぐみはその日の夜、自宅で以前樹が「もう一度見たいな」と言っていた、体育館の絵を持ち出し翌朝ゴミとしてそれを出してしまった。
その日は洋貴と結婚式場の下見に行く予定で、車で迎えに来た洋貴がその絵を見つけてくれていた。
そうして式場に着くと、そこには樹の母が。
ずっと付き合っていた彼とついに入籍し、その記念に写真を撮りに来たというのだ。
つぐみが洋貴を婚約者だと紹介すると「そうなの。つぐみちゃん、結婚するのね」と少し残念そう。
「私はね、今でもつぐみちゃんが樹と一緒になってくれたらと思ってるの」という。
そんな樹の母に「ごめんなさい」と謝ると「いいのよ。誰も悪くないんだから。強いていうなら運が悪かっただけなの」と。
その後、ちょっとした偶然から長野へ行った事を樹に知られてしまった長沢は泣きながら謝る。
「また私の居場所がなくなるんじゃないかと、不安でたまらなくて…」と。
「私、いつからこんなになっちゃったんだろう」と泣く長沢を責める事はしなかったものの、複雑な表情を見せる樹の心中は、一体どんなものだったのだろうか。
地鎮祭の朝
高木夫妻の新居の建設が始まり、地鎮祭の朝を迎えた。
インテリアコーディネーターではあるものの、クライアントの妻は入院中ということもあり、彼女は地鎮祭も手伝いをするため、朝早くから準備に追われていた。
そんな娘に「インテリアコーディネーターなのに大変だな」と言う父。
母は朝食の準備をしていた。
いつもの朝だった。
地鎮祭の後は、樹と共にバリアフリー住宅の建設現場の見学に行く予定も入っていた。
けれど全ての予定を狂わす事件が起きた。
朝早くに松本を地震が襲ったのだ。
つぐみは父にかばわれ、急ぎテーブルの下に隠れた。
その頃樹は建築中の現場に居た。
彼女と見に行く予定のモデルルームの現場を一人で先に見に来ていたのだ。
一人室内を見学中だったが、まだ内装の途中で、彼の周りには足場がぐるりと設置されていて、そこには建築資材も乗せられていた。
誰も地震の事など想定して居なかったから仕方ない。
けれどそこで地震に襲われた樹は、車椅子のため速やかに外に避難する事がかなわない。
激しい揺れの中、ただ倒れて来る資材を見つめる事しか出来なかった。
そうして倒れて資材は、樹を下敷きにしてしまう。
下敷きになった樹は、誰かに助けを求める事も出来ぬまま、気を失った。