石川由依さん主演のアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」第2話『戻って来ない』のあらすじをまとめました。
前回までの「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
第1話
第2話のあらすじ
自動手記人形
少佐とヴァイオレットの出会いは今から四年前だ。
場所はライデンシャフトリヒ。
少佐の兄であるディートフリート・ブーゲンビリア大佐が、弟の昇進祝いとして送った『道具』が彼女だった。
「北東戦域で拾った。武器として使え」と。
そんな彼女は少佐の友人のホッジンズに連れられ、自動手記人として働くことに。
初めは配達の仕事をやる事になった彼女だったが、本人の希望により自動手記人形の仕事をする事に。
ヴァイオレットを紹介されたドール達は、彼女の様子に驚いてしまう。
美しい容姿であるにも関わらず、立ち居振る舞いや言葉遣いは軍人のように機械的だったから。
ドールのエリカは彼女を人形のようだと思った。
そもそもドールと言うこの職業の名前の由来は、機械じかけの人形から来ている。
ドールの初日、ヴァイオレットはカトレアに預けられた。
カトレアはこのCH郵便社で経験豊富な一番人気のドールだ。
彼女の他にドールは二人、経験者のエリカと養成学校を卒業したばかりのアイリス。
そうして今回新人としてヴァイオレットが加わった事で、この郵便社の自動手記人形は四人となった。
凄い武器
ヴァイオレットの様子に違和感を隠せないアイリスとエリカ。
ヴァイオレットがタイプを打つのに手袋を外し、現れた機械の手に驚くドール達。
どう見ても幼く人形のような彼女が、まさか軍人だったなんて思いもしなかったのだろう。
そうしてヴァイオレットが元軍人と聞き、機械的なやり取りにも納得したのだった。
仕事と言ってもまだ新しい郵便社と言うこともあり、指名を受けて代筆をするのはカトレアばかり。
エリカもアイリスも宛名書きや行方不明者を探す手紙ばかりだ。
そんな中タイプの練習をするヴァイオレットは、元から頭が良く器用なのだろう、すぐにタイプは上達した。
「凄いじゃない、ヴァイオレット」と彼女の上達ぶりを褒めてくれたカトレアに「凄いのはこの武器です」と答えるヴァイオレット。
軍隊しか知らない彼女は、日常の様々な事への受け答えがどこかズレてしまう。
けれどそんな彼女に「そうね、これは働く女性の武器よね」と答えてくれたカトレア。
そうして仕事のためにタイプを持ち帰るカトレアに、自分も持ち帰りたいと願い出た。
理由を問われた彼女は「少佐に報告書を書きたいのです」と。
軍隊しか知らないヴァイオレットの世界の中心は、いつだって少佐だった。
そうして借りたタイプで報告書を作り、ホッジンズに託した。
人の心の表と裏
タイプも上達したヴァイオレット。
今度はドールの仕事をしている先輩達の側で、実際の仕事の見学をする事になった。
見学中に彼女が依頼人の言葉の裏側を全く読めず、言葉通りに受け取ってしまう様子に、困惑してしまうドール達。
エリカの仕事を見学した時も、怒った依頼人をさらに怒らせてしまった。
ヴァイオレットの言った事は正論だった。
けれど依頼人はお客様である以上、相手の言い分が間違っているからと、それを指摘していてはサービスとして成り立たない。
しかしそれを理解する事は彼女には難しかった。
そうしてお客からのクレームが入り、エリカと二人呼び出され、名簿の作成をする事に。
二人が名簿の作成をしていると、そこに交際を申し込まれたから、その返事を代筆してほしいと言う依頼人が。
カトレア指名での来店だったが、生憎カトレアは出張で留守。
じゃああなた達に…と言う事になり、本当は交際を申し込まれて嬉しいものの、安い女だと思われたくないと言う女心から高飛車な態度で依頼内容を話す依頼人。
当然言葉の裏側を理解する事が出来ないヴァイオレットは、自分が代筆するといい、依頼人の言葉をそのまま受け取り手紙を書いた。
後日交際を申し込んできた男性から、ヴァイオレットが代筆した手紙が送り返された上に、当然結ばれなかった依頼人は、激怒して郵便社へとやってきた。
「この手紙を読んでみなさいよ!」とヴァイオレットに手紙を渡す。
彼女が読み上げると、素直すぎるその文面に居合わせた全員が絶句してしまった。
カトレアが代表してお詫びし、依頼人を宥める事が出来たが、ヴァイオレットには理解不能だった。
依頼通りに手紙を書いたのに、一体何がいけなかったのだろう?と。
話をしたいからとカトレアにお茶に誘われたヴァイオレットは、そこで人の心について教えられる。
人の心には表と裏があると。
「人は弱いから、全てを言葉にせずに、相手を試したりするものなの」と。
だからドールはそんな言葉にしていない依頼人の心に寄り添い、その想いを汲み取り文章にするのだと。
私はドール不適格ですか?
カトレアの言葉を考えながらぼんやりと街を歩くヴァイオレット。
すると配達をしているベネディクトと出会い、彼女がドールの仕事に苦戦していることを察し、「配達の仕事に戻って来いよ」と言ってくれた。
けれど「配達ではダメなのです」と断るヴァイオレット。
彼女は『愛してる』を知りたいから、どうしてもドールになりたいのだ。
この仕事を頑張る事で、沢山の人の心に触れる事で、少佐の『愛してる』を理解出来る気がするのだ。
再び一人歩き出すと、雨が降り出した。
雨の中も構わず歩く。
一人ずぶ濡れで郵便社へ向かって。
雨に気づいたエリカは、郵便社の窓から外を見ていた。
ヴァイオレットを案じていたのだ。
するとその視界にずぶ濡れの彼女が。
慌てて外に出たエリカに、ヴァイオレットは尋ねた。
「私はドール不適格でしょうか?」と。
「それは私」と自分の方が不適格だと言うエリカ。
けれどヴァイオレットには、まだエリカの気持ちは理解出来ないから「それは聞いていません」と答えてしまう。
「向いていないわ。なぜドールなの?」と答えたエリカ。
「『愛してる』を知りたいのです。ある特定の感情を表す言葉だとは理解しています。けれど少佐が、どんな思いでその言葉を投げかけたのかを知りたいのです」と。
機械のようなこの子にも、ちゃんと感情があるのだと、エリカは理解した。
そうして人の心を理解したいと願っている事も。
忘れた夢、自分の気持ち
ヴァイオレットのあまりの様子に、アイリスはホッジンズに辞めさせるよう進言。
それを聞いたエリカは、割って入り止めてくれた。
ついさっきヴァイオレットに「向いていないわ」と言ったばかりのエリカ。
だからヴァイオレットは「不適格だと言ったのに裏腹です」と。
そんなヴァイオレットにエリカは「自分がドールに向いていないから庇ったの」と言う。
タイプライターの元となった機械は、オーランド博士が発明した。
それは盲目となってしまった小説家の妻の為に発明されたもので、博士はそれを自動手記人形と呼んだ。
そこから現在の代筆業をそう呼ぶように。
エリカはヴァイオレットと出会い、そんなことを思い出していた。
そして忘れた夢、自分の気持ちも。
自動手記人形を使い書かれたオーランド夫人の小説を読んで心が震えたあの日。
私もいつか人の心を動かす手紙を書きたいと思い、この仕事を選んだ事。
エリカの口添えでドールとして残れる事になったヴァイオレットは、ドールの衣装を貰った。
衣装を身に纏った彼女の姿は、まさにドールの名に相応しかった。
その襟元には、少佐から贈られたあのブローチが輝いている。
それはヴァイオレットの荷物から消え、闇市に流れていたものを見つけ、ホッジンズが買い戻してくれたものだ。
今月の給料の全てをつぎ込んで。
そんなホッジンズの行動を称えたカトレアは、少佐について尋ねた。
そこでカトレアは初めて、ヴァイオレットの言う少佐が既に亡くなっている事を知る。
あんなにもヴァイオレットが、少佐の事ばかり想っているのに。
帰りを待っているのに。
そんな彼女の元に少佐が戻ってくる事は、もうないのだ。
そしてそんな残酷な現実をまだヴァイオレットは知らなかった。
いつか知る事になるのだろう。
けれど大人達は案じていた。
彼女にそれを受け止められるのだろうかと。
彼女にとって少佐が全て。
だからずっと待っている。
少佐からの新たな命令を。
けれどその少佐はもう『戻って来ない』。