ドラマ「奇皇后 ~ふたつの愛 涙の誓い~」の感想とネタバレ

自らの平穏な暮らしと引き換えに、沢山の人々を助けた、ひとりの女性の物語。

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感想

スンニャンが素敵でした。
本当に頑張ったなって思います。


色々なキャラが出て来て、話も長いので、把握するのが難しくはありますが、大変楽しめました。
悪役が本当にどこまでも悪い印象で、見ている私が成敗してしまいたい気分に(笑)
そして頑張っている人がなかなか報われないのも、途中もどかしくはありました。


ワン・ユに関しては、最初の遊び人風なのは驚きましたが、色々と彼の事情もあり、最終的にはずっと素敵な王様だったんだな…と思えました。
個人的にはワン・ユが好きなので、スンニャンとワン・ユが結ばれるのも見たかったなと思いました。


タファンに関しては、可愛いところもあります。
癒し系だな…と思った所もあります。
けれど、最初に約束を守らなかった段階でがっかりしてしまって。
その後、可愛い所を見せてくれて、母は可愛いと言ってましたが、私はどうもその時の恨みを引きずってしまったようで(笑)
なかなか許せる気持ちになれないところもありました。
最後にスンニャンのために頑張ってくれた所は、すごくかっこよかったですね。


歴史物で難しい所もありますが、キャラクターが魅力的なので、興味のある方はぜひ見てほしい作品です。


ネタバレ

初めはただ父を死に追いやった者、母を無残に殺した者への復讐心だった。
けれど彼女は正義感が強かったから。
目的の為に動く中にも、弱き者を捨て置けなかった。
元と言う大国の中、母国高麗に見捨てられ、虐げられる同胞達を放っておく事など出来なかった。


だから彼女は皇后にまで上り詰めた。
弱き民の味方であるために。


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始まりはワン・ユとの出会い。
貢女として元へと移動中の彼女達を、元の人質であった世子ワン・ユが助けた事だった。
彼のその行動により、再び高麗の地で生きる道を得た彼女。


けれどワン・ユにより逃がされた貢女達は、みな無残に殺された。
タンギセ達はまるで狩りでも楽しむように、命の灯火を躊躇なく消していった。
目の前で母を殺された彼女は、母から譲り受けた父の手がかりと、「こんな時代に女に産んで、ごめんなさい」の言葉を胸に一人生き抜く事に。
だから男になるしかなかった。
逃げ出した貢女やその家族は、酷い目にあわされてしまう。
そんな理不尽な世の中が、彼女を男にしたのだ。


スンニャンと名乗り、男として成長した彼女は、自分の苦しみを糧に、同じ苦しみを背負う仲間たちの為に生きていた。
頭となり、家族が貢女にされた者達と共に金を稼ぎ、貢女となった者達を救う活動をしていたのだ。
その頃、ワン・ユと再会。
彼に協力し、ワン・ユは高麗王として即位した。


彼の即位に貢献した彼女を、男だと思っていたワン・ユは、自分の側で働かせようと彼女を誘うも断られ、彼女は父が隊長をしている部隊で、武官として仕える事に。
仕える事を決めた時、彼女はまだ隊長が父だと知らなかった。
にも関わらずそこで仕える事を選んだのは、親子の縁が呼んだ再会なのかも知れない。


そこで彼女はもう一つの運命の出会いをする事になる。
それが彼女が後に夫とする事になるタファンとの出会いだった。
タファンは元の皇太子でありながらも、元の実権を握るヨンチョルにより、高麗に流罪として送られて来た。
ヨンチョルは、その際にタファンを殺害し、その罪を高麗に着せる事で、高麗を自国の一部にしてしまう計画だった。
けれど彼女が有能で勇敢だった為、皇太子タファンはその命を守られた。


命を賭けて、未来の夫を守った彼女だったが、皇太子が暗殺されては高麗王の立場が…と案じての行動だった。
だから約束をしていた。
無事に高麗王の元にたどり着いたら、自分を殺そうとしたのは元の者だと証言して欲しいと。
にも関わらず、タファンは自分の命を守るべく、ヨンチョルに強要され嘘の証言をした為、高麗王は廃位となり、護衛を務めた彼女の部隊の指揮官である彼女の父は、暗殺の実行犯とされ命を奪われた。


タファンは知らなかった。
彼女が女である事も、隊長のキ・ジャオが彼女の実の父だった事も。
ただいつかヨンチョルを倒す為にも、死ぬわけにはいかなかっただけだった。
けれど彼女の目にはそうは映らない。
彼女もタファンの事情は知らないのだから。
ただ、タファンが裏切り、そのせいで忠誠を誓った王様は廃位になり、彼女の父が死んだと言う事だけが、彼女の中に強く刻まれたのだ。


その後、王と共に元に連行される途中、女だと知られ、貢女として皇宮で働く身となった彼女。
下働きとしてそこで働く中、皇帝に即位したタファンを見かけ、父の敵討ちを決意。
そんな状況でも、彼女は正義の人だった。
下働きの中で、周りをこき使いいい思いをしていたヨンファを懲らしめ、下働きの高麗の者たちの信頼を得るように。


そんな皇宮生活がキッカケで、彼女は皇后へと向かう事となる。
この頃、心は王であるワン・ユの元にあったが、側室になりタファンの側で仕えるうちに、次第タファンを愛するように。
またワン・ユも、元への道すがら死にかけた自分を女の身で命がけで運んでくれた彼女を愛していたし、タファンもまだ女だと知らない頃から、ひたすらにスンニャンを想っていた。


皇宮で働く中、途中ワン・ユ達が手柄を立てて彼女の前に現れ、一度は念願叶いワン・ユの元で働けるようになった。
そしてワン・ユに求婚され、高麗に戻ったら妻に…と約束もし、結ばれた夜もあった。
しかし、ワン・ユだけが高麗に戻っている間に、彼女はワン・ユの子を一人で産み、タンギセ達に追われた事で息子の命を失った。
その後、悪徳商人に捕まり、奴隷として売られそうになっていた時、彼女の力により一地区を任される長官へと上り詰めたペガンが、彼女を買い取ってくれた。
彼女に受けた恩に報いたいと。
そうしてペガンの養女となり、側室として再び皇宮へと戻った。
自分の親ばかりか子供までを奪ったヨンチョル一族を倒す為に。


一方死んだと思っていた彼女の息子は、実は生きていた。
尼僧に拾われ、タナシルリがその子を奪い、尼僧達を殺し寺を焼き、自分が産んだかのように偽装。
彼女が側室となる前に、皇太后が側室として推したパク・オジンが皇帝の子供を身篭った事から、子供への執着が強くなったタナシルリは、想像妊娠していたのだ。
本人は本当の懐妊だと思い込み、盛大に発表してしまった手前、それを誤魔化す為、パク・オジンが出産で城を出るのに合わせ、自らも寺で祈り臨月を迎えたい…と城を出ていた。
その時に彼女の息子を見つけたのだった。


更に、彼女が息子を失う原因となったのは、そのタナシルリが嫉妬から、パク・オジン達を暗殺するよう指示した事が原因だった。
城を出るパク・オジンに匿われるように共に城を出た彼女も、その暗殺事件に巻き込まれ、目の前で同胞を失い、みんなに助けられなんとか生き延びたと言う経緯があった。
つまり、彼女はタナシルリにより息子を奪われたにもかかわらず、そのタナシルリが彼女の息子を手にしてしまったのだった。


ただ一つだけ幸いだったのは、皇帝に疎まれ続けたタナシルリは、息子への執着は強く、拾われた子を奪ったのに、その子を実の息子だと思い込むようになり、彼女の息子は大変愛された事。


そうして皇子が自分の子だとも知らぬままに、彼女はヨンチョルを倒す為、皇帝に文字を教え、ペガンやタルタルと組み、更には目的を同じくする皇太后とも組み、ヨンチョルを倒す事に成功。
長男であるタンギセには逃げられたものの、タプジャへもヨンチョルと共に殺され、娘であるタナシルリは絞首刑となった。


そうしてヨンチョル討伐に成功した彼女は、皇帝との間にもうけた息子、アユルシリダラに弱き者の味方となりなさい…と、自らの信念を教え育てた。
そうして敵討ちを果たした彼女は、ヨンチョルの悪政に苦しめられた民を救いたいと願ったにも関わらず、ここでペガンにより、皇帝が変わってしまった。
ペガンは、ヨンチョル討伐の功績から丞相の位に着き、ヨンチョルのような私利私欲の為の政治は行わないものの、根っからの武人である事と、モンゴルの血を重んじる事から、彼女と対立してしまった。


彼女はかつてはワン・ユを愛していたが、皇宮での暮らしの中、皇帝を支え愛して行こうと気持ちは切り替わったのに、その皇帝がペガンに味方するようになってしまった。
皇后位に彼女が着くことをペガンと皇太后が強く反対し、それだけでなくペガンの姪であるバヤンフトを皇后として送り込んできたのだ。


このバヤンフトにより、彼女はまた悲劇に見舞われてしまう。
母であるタナシルリ亡き後、味方であったはずの皇太后が手のひらを返し対立。
タナシルリの息子であるマハを育てるようになったのだが、彼女の実の息子なのに、幼いマハに彼女が母親を殺した、だから仇を討ちなさい…と言い続け育てたのだ。
その成果が実り、彼女にとても冷たいマハだったが、そんなマハが皇帝の血を引かないと言う情報を得たバヤンフトにより、殺害されてしまう。


その時、殺害計画をいち早く知った、ワン・ユの側近のパン・シヌにより、マハ暗殺の計画を知らされ、助けてほしいと頼まれた彼女は、そこでマハはあの日死んだと思った自分の息子だと知る事に。


嬉しかった、生きていてくれた事が。
けれど悲しかった
アユルシリダラのように、側で育ててやれなかった事が。


そうして我が子を助けようとしたものの、マハは毒矢で射られてしまった。
その時は一命を取り留めたのだが、皇帝の血を引いていない事が明かされ、城から出された後、毒が回り死んでしまった。


マハが亡くなる前に、ワン・ユがマハを高麗に連れて行き、そこで自分の息子だと明かす…と話していた事がキッカケで、皇帝の耳にも届いてしまった。
マハが彼女とワン・ユの息子だと。
それがまた新たな悲劇を呼ぶ事に。


マハ暗殺を企てたバヤンフトは流罪となり、その後貴妃である彼女の命令で毒殺された。
そうしてペガンの元にその亡骸が送られた事で、ペガンと彼女の対立はより深刻なものになっていった。


ペガンはかつての大元帝国のような強い国を作りたいと、武人らしい夢を抱き、その為に戦を繰り返し国を疲弊させた。
ペガンが丞相位に着いた時、既に民はヨンチョルの悪政により、苦しめられていた。
だから本来は民の為の政治を行うべきだったのだ。
そして彼女もそれを望んでいた。
そう皇帝に進言もした。
けれど、「陛下をジンギス・ハーンのように偉大な皇帝にしたい」と言うペガンの言葉に、タファンは彼女の話を聞かなくなり、政治に口を出すなと言うようになっていた。


またペガンに着いていたタルタルも、民衆の苦しみを案じていた。
そして何度も叔父に進言していた、民の為にも無理な戦さをやめるべきだと。
けれどペガンは全く耳を貸さない。
そんな暴走する丞相と皇帝により、民は苦しめられていくばかり。


だから対立が激しくなり、ペガンは彼女を亡き者にしようと画策し、彼女もペガンを亡き者にしようと画策した時、タルタルは彼女に着いてくれた。
彼女が飢饉に喘ぐ民に、自ら力をつけて得たお金を使い、救済米などを施している事を知っていたから。


そうしてタルタルの力を借り、ペガンを倒したものの、その事が原因となり、タファンとの間に大きな溝が出来てしまった。
けれど彼女は屈しなかった。
寺に送られ、日々百度打たれながら祈るようにとの王命にも、「陛下が健やかになられますように」と「陛下が聖君となられますように」と祈り続けた。
そんな彼女の想いが、無事に皇帝に届き、彼女は遂に皇后位に着いた。


ただ弱き者の為に戦い続けた彼女。
彼女の推薦で丞相位に着いたタルタルのお陰で国も安定するかのように見え、これからタファンと二人穏やかに過ごせるかと思えた。
しかし、運命は残酷だった。
王は側近に裏切られ、毒を盛られていたのだ。


彼女が皇后位に着く時、彼女がワン・ユの子供を産んでいる事を知っている者を彼女の命を守る為に消す…と動いたタファン。
彼は自らワン・ユを殺した。
その事を知り、彼女は憤った事もあったが、高麗出身の彼女が皇后となる事を良しとしない勢力から、彼女の命を守る守る為にとタファンが起こした行動なのだとタルタルから説明された事で、タファンの深い想いを知った。
そんなタファンは、またしてもその最期の時間を使い、彼女と皇太子となった息子を守る為、彼女に害をなす勢力をあぶり出して、全て排除したのだ。
裏切り者や皇太后を含めて全部。


彼女がタファンの毒の件を知った時、既に手遅れだった。
もう死を待つしかない状態だった。
それでも無理をしなければ、緩やかに毒に蝕まれ、もう少し長く生きる事も出来たかも知れない。
そでも彼は、彼女がかつて愛していた男の命をも奪って彼女を守った時、何があっても彼女を守ると誓ったから。
だから最後の力を振り絞り、皇帝であるうちにできる事をしてくれたのだ。


そうして自ら命を縮めてしまったタファンが亡くなる頃、異民族との戦いに赴いていたタルタルも討ち死に。
自分に何かあれば北の壮大な大地へ逃げ、そこで再起を図ってほしい…とのタルタルの言葉の通り、彼女は息子と共に北へと逃げ、そこでアユルシリダラは北元を興し即位。
元は明に滅ぼされた。


戦いの日々だった。
弱き者を守る為、大切な家族の仇を討つ為の。
そんな激動の日々の中、二人の男を愛し、どちらにも命がけで尽くした彼女。
ワン・ユとは一緒になる事は叶わなかったものの、彼の彼女への愛はずっと続き、彼女の命を守る為にと、タファンが彼を討ちに来た時も、彼女を守って欲しいと言葉を残し、自ら命を差し出した程。


タファンとは、ワン・ユの事もあり、誤解された事もあったが、彼女の命を守る為に、ワン・ユを自らの手で討ち、毒を盛られながらも、彼女が自分が亡き後も幸せに暮らせるようにと、彼女を害する勢力を命がけで排除してくれた。


穏やかな時間など、一度もなかったかも知れない。
けれど壮絶な人生の中、確かに二人の男が彼女を心から愛し、彼女もまた彼らを心から愛した。
そして貢女を廃止したり、救済米を与えたりと、弱き者の為に彼女が起こした行動で、救われた命も沢山あった事だろう。


これは自らの平穏な暮らしと引き換えに、沢山の人々を助けた、ひとりの女性の物語。


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